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ニュースリリース

2018.09.16
法改正

「働き方改革関連法案をふまえて」

第196回通常国会の働き方改革関連法の成立、労働条件分科会をはじめとした各分科会での議論や、パブリックコメント、省令などを踏まえ、『規定例とポイントが<見開き対照式>でわかる 就業規則のつくり方・見直し方』の該当ページの内容を変更(追加)いたしました。なお、この修正は2018年9月14日時点のものです。働き方改革関連法は今現在も意見を調整しているので最新の内容に注意してください。本サイトでも随時、最新の情報をフォローしていきます(当時アップした情報なとを修正・更新する可能性があります)。

1.時間外労働(36協定)の上限規制
働き方改革関連法によって、例外の例外として制限のなかった特別条項付き36協定について、限度時間の上限が設定されました。具体的には、1-1.年間720時間以内、1-2.単月100時間未満、1-3.対象月と直前の1か月から5か月を加えたそれぞれの各期間(2から6か月)を平均した時間が80時間以内となっています。なお、これらに加え、上記の限度基準告示で定めていた1か月45時間、1年間360時間、限度基準を超えることができる月数の他、36協定で定める事項等についても、労基法36条に条文化されました。これにより、労基法36条に違反すれば罰則対象となりました。

主なポイント
1-1.限度時間は、「1日」、「1か月」、「1年」について定めることになりました。従前は、1か月だけでなく、各社の状況に合わせて「1日を超え3か月以内の期間」で選択することができましたが、1か月だけとなりました。

1-2.上記1-3.の通り、新ルールでは対象月だけではなく、過去の労働時間についても管理・運用することが必要となりました。
1-3.上記1-3、1-2の100時間、80時間については、法定休日労働も含めてカウントする必要があります。従前にはなかった考え方であり、それ以外の時間については従来通り法定休日労働を含めずにカウントするので、注意が必要です。
1-4.施行日は、大企業で平成31年4月1日、中小企業で平成32年4月1日になりますが、各社で協定期間が異なるため、新ルールの適用時期は各社で異なります。具体的には協定期間中に施行日を跨ぐ場合は、その協定期間が終了するまでは従前のルールのままで、それ以後新たに協定した期間から新ルールが適用となります。そのため、例えば、協定期間が毎年1月から12月の1年間で締結している大企業の場合は、協定期間中に施行日を跨ぐことになるため、その協定期間が終了した平成32年1月からの協定から新ルールが適用されることになります。
1-5.建設事業、自動車運転業務、医師、鹿児島及び沖縄県における砂糖製造業、新技術・新商品等の研究開発業務については、適用猶予、除外となっています。

2.フレックスタイム制の弾力化
働き方改革関連法により、フレックスタイム制の清算期間が1か月以内から3か月以内の期間で選択できるようになりました。これにより、育児や介護、自己啓発などの社員個々のニーズと仕事との調和がより一層可能となりました。

主なポイント
2-1.清算期間が1か月超の場合は、労使協定を労働基準監督署へ届出ることが必要となります。
2-2.フレックスタイム制は、本来、清算期間が終わった段階で、時間外労働時間と不足時間が確定しますが、対象社員の過重労働防止の観点から清算期間内の1か月ごとに、週平均50時間(31日の月221.4時間、30日の月214.2時間、29日の月207.1時間、28日の月200時間)を超えた労働時間については、割増賃金の支払いが必要となります。

3.中小企業に対する割増賃金猶予廃止
働き方改革関連法により、中小企業に対する猶予措置は廃止され、平成35年(2023年)4月1日から施行されます。

4.年休の取得義務化
働き方改革関連法により、年次有給休暇の付与日数が10日以上ある労働者に対して、基準日から1年以内に会社が5日について、その時季を指定することが義務付けられました。
ただし、社員が時季指定した日および計画的付与がなされた日については、その日数の合計を5日から差し引くことができます。

5.高度プロジェッショナル制度
働き方改革関連法により、高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして厚生労働省令で定める業務に従事し、年収が一定以上の労働者については、労働時間、休憩、休日および深夜割増賃金に係る労基法の規定を適用除外とする制度が新たに創設されました。
なお、厚生労働省の労働政策審議会の建議では、対象業務について5-1.金融商品の開発業務、5-2.金融商品のディーリング業務、5-3.アナリストの業務、5-4.コンサルタントの業務、5-5.研究開発業務が挙げられており、年収については、1,075万円を参考にするとされています。

6.勤務間インターバル
働き方改革関連法により、事業主の責務として、終業から次の始業までの休息時間、いわゆる勤務間インターバルを設定することについて、努力義務が課されました。これは、インターバルを保障することで労働者の休息を確保することを目的とした制度です。なお、勤務間インターバルについては、その取り扱いについて法制化されていないため、各社の実態を踏まえて検討すればよいでしょう。

始業時刻のみを繰り下げ、賃金を減額するケース
会社は、社員の勤務終了後、次の勤務開始時刻までに〇時間以上の休息時間を与えるものとする。
2 勤務終了時刻から○時間の休息時間が翌日の始業時刻にかかる場合は、その休息時間が経過するまで始業時刻を繰り下げ、労働を免除するものとする。ただし、不就労時間については、賃金を支払わないものとする。

7.同一労働同一賃金
無期労働契約と有期労働契約との間の待遇差について争った、ハマキョウレックス事件等を踏まえ、不合理と判断された場合でも正社員の規定が適用されることのないように、正社員に適用される就業規則と契約社員等に適用される就業規則はそれぞれ別々に作成し、規則についても適用範囲を明確にしておくべきです。